大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)4799号 判決

本件記録を精査しても、被告人の情状に関する事項のうち被告人等(但し被告人坂部義清は除く)の教育程度、経歴、家庭、資産、生活情況等について原審がこれを取り調べた形跡のないことは所論のとおりである。

而して、刑の量定に当つては単に犯罪の内容を検討するだけでなく、被告人の性格、年令、境遇、犯罪後の情況等諸般の事情を考慮すべきであることも亦所論のとおりである。しかし被告人の教育程度、経歴、家庭、資産、生活情況等は被告人の智能、性格、境遇等を知る手がかりとなる事項であるが、如何なる種類の被告事件でも必ずこれらを一々詳細に取り調べなければ情状を判断することはできないというものではない。本件のような公職選挙法違反被告事件においては、犯罪の情状の外に、被告人の年令、職業、選挙権の有無、前科の有無等を調査すればこれによつて自ら被告人の智能、性格、境遇等も大体推知できるから被告人の情状に関する調査としては相当であると認めるべきところ、原審はこれらの点は取り調べているのである。而して右被告人等三名の本件犯罪の情状に原審が取り調べた右情況を綜合判断すれば、原審の量刑は相当であり、なお当審において取り調べた証拠に現われた右被告人等三名の教育程度、経歴、家庭関係、資産、公職の有無等を斟酌してみても原審の量刑をもつて重きにすぎるものと認めることはできない。

次に被告人坂部義清については原審において同被告人の経歴、教育程度、家族関係、資産の有無等調査されているのである。よつて被告人の本件犯罪の情状にその他諸般の事情を綜合判断すれば、原審の量刑をもつて重きにすぎるものと認めることはできない。

論旨はすべて理由がない。

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